同じ車検・整備事業を行っているにもかかわらず、儲かる工場と儲からない工場があります。いったい両者には、どのような違いがあるのでしょうか?
ここでは、改めて整備工場の利益の仕組みや利益率などを確認のうえ、整備工場が売上をアップさせるためのポイントについてご紹介しています。
整備工場の利益の内訳にはいくつかの種類がありますが、それらのうち代表的なものが車検代行料でしょう。
車検代行料とは、車検の際、車のタイプによって顧客が定額で整備工場へ支払う手数料のようなものです。整備の種類や規模にかかわらず、整備工場が決めた一定の料金が車検代行料となり、これが「整備工場が車検で必ず獲得できる最低限の利益」となります。
加えて、車検の際に部品交換等が必要になれば、交換作業の工賃も整備工場の利益となります。また、板金や塗装部分に問題があれば、顧客への営業しだいでその修理工賃も整備工場の利益になるでしょう。
車検が儲かるかどうかの基準は、持ち込まれる車の種類によります。
整備工場ごとの価格設定にもよりますが、たとえば普通自動車における車検代行料は、1台あたり10,000~15,000円。最低でもこの金額は整備工場の売上となります。これに各種工賃が売上として加算される形です。
軽自動車の車検・整備は全体的に利益率が低いため、普通自動車に比べると車屋の儲けは低くなります。逆に、輸入車や高級車の場合は1台あたりの車検代行料が20,000~30,000円台と高めで、かつ特殊な整備が必要になることもあるため工賃も高くなる傾向があります。
以上のように、車検が儲かるかどうかは車の種類に大きく左右されます。どのようなタイプの車が多く持ち込まれるかは、整備工場の経営方針や営業努力、社会的信頼等で変わってくるのではないでしょうか。
奈良県吉野郡大淀町という人口1.7万人の町で、350台だった車検台数を1,400台にまで伸ばした中西自動車。
地元商工会の強硬な反対にあいながらも、会社の未来のためにフランチャイズ加盟に動いた中西社長にお話を伺いました。
整備工場の売上アップにつながる大事なポイントをまとめました。 競合する整備工場がたくさんある中、従来と同じ方法での営業・運営を続けても、事業は衰退する可能性があります。整備工場が売上アップを目指すならば、現在の営業方法に加え、積極的に別の戦略も検討していくべきでしょう。
最新車の整備を行う際には、これまで蓄積した知識とは異なる知識の習得が必要になることもあります。また、工場にある既存の工具では十分な整備ができないこともあります。
最新車が持ち込まれるたび、これらの細かい部分に対応しながら整備を行っていくことは容易ではありません。コストも労力もかかります。
最新車の整備はしないと割り切り、既存の知識と工具でできる整備の受注を増やしていくことが、整備工場としての安定的な売上につながることもあります。
新規顧客の開拓も重要ですが、売上アップのためには、既存顧客への細やかなフォローも非常に大切です。
たとえば、はじめて車検を受けてくれた顧客に対し、次の車検の直前だけではなく、6か月点検や12か月点検のタイミングに合わせて、お礼と点検の案内のハガキを送るだけでも有効なフォローとなります。
一度かかわった顧客との接点を常に持ち続けることで、固定客を少しずつ増やしていけば、安定的な売上アップが期待できるでしょう。
過去の売上に改めて目を通し、売上が良かった時期と悪かった時期を比較してみましょう。その上で、売上が良かった原因、売上が悪かった原因を分析します。
売上を左右した原因には、時節的なものや施策的なものなど色々あると思われますが、それぞれの原因を分析して自社の営業教科書とし、売上アップ・利益率向上につながる対策を検討していきましょう。
また、売上につなげることが可能だったにも関わらず失注してしまった事例があれば、失注原因をよく検討して次の施策へと活かしていきましょう。
集客のためにSNSやインターネットを使うことは極めて重要です。
現代では、若い方々はもちろんのこと、比較的年配の方々もインターネットを重要な情報源の一つとしています。整備や車検を依頼する際、近隣の整備工場の公式HPを閲覧したり、口コミをチェックしたりすることは、もはや常識となりつつあります。そのような現代において、インターネット検索をした際に公式HPが登場しなければ、顧客の選択肢にすらなりません。
公式HPを設置していない車検工場は早めに設置し、定期的に内容を更新するようにしましょう。SNSによる定期的な発信を加えれば、さらに集客率がアップする可能性もあります。
整備以外の車関連事業をはじめてみれば、売上アップにつながる可能性があります。たとえば、自動車販売事業やカーリース事業などです。新たな事業の開業・運営ノウハウがなければ、フランチャイズ加盟も有効な選択肢となるでしょう。
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経営者の声を聞くにあたり、車検のコバックに協力を依頼し、成功経営者のみなさまをご紹介していただきました。