車検のコバックに協力していただき、Zenkenが自動車整備工場の成功事例をご紹介する当サイト【成功無双】。
「カーライフを豊かにすることで、お客様、スタッフとその家族を幸せにする」ことをビジョンに掲げ、その道を確実に進んでいる(株)モービルハウスの躍進に迫りました。
社内に広がる、“あまり良くない空気”を変えたいと思っていた。
「車検のコバック」では、1976年より、愛知県豊田市を中心に直営店を展開。
中西社長も加盟の決めてにした、アフターフォローと人材育成のノウハウを余すところなく加盟店に伝授することで、地域No.1の店舗を実現します。
松山社長 そうです。1983年に設立し、長らく中古車販売店としてやってきていたのですが、時の流れと共に、“車が店舗に置いてあれば売れる時代”から、大型展示場ができたり、ネットが普及したりで、そうではない時代に変わってきて、安定した収益を出すために車検のフランチャイズであるコバックに加盟したそうです。
僕がまだ、18歳くらいの頃の話です。
松山社長 たまに会社でバイトしていたときもあったんですけど、正直、そんなに良い雰囲気ではなかったんですね。
昔気質の人も多かったので、社長と社員がぶつかるシーンもたくさん見てきて、父に対して「もっとほかの言い方もあるんじゃないかな」と思うこともありました。
そういうのを見てきて、継ぐのを決意したのが大学3年か4年で。まずどこかで整備の勉強をしてからと思ったときに、コバック本部に研修制度があると聞いて、本部で就職し、3年ほど働きました。
松山社長 とにかく積極的で前向きな社風が衝撃でした。お客さんがひっきりなしに来ていて、充実という言葉では言い表せないくらい、毎日忙しくも得るものがありました。
そこで働く多くの社員やスタッフを正しく評価するための制度や、社員のモチベーションを上げるためのランキングなど、多くの取り組みがあって、とにかく刺激的でした。
松山社長 まずは全てを受け入れました。100個くらい変えたいことがあって、それがどんなに変えた方がいいものだとしても、今までの歴史もありますから。
実際に現場に入って、絶対に今を否定せずに、技術で頼るところは頼り、その中で「こうしていこうか」「ああしていこうか」と、少しずつ変えていくことを意識しました。
松山社長 いや、まだ自分本位だったんですよね。僕が。気づかされたのが、「車検3,000台目指すぞ」というひとつの目標を立てていたんですが、それに対してスタッフが「3,000台やったときに何があるんですか?」と僕に言ったことでした。
それに、自分が答えられなかった。「いやあ、きっといいよ」みたいな(苦笑)。
3,000台になってるときは社員数はこのくらいになっていて、スタッフの最高年収がいくらになってるといいよなとか、要は、会社が成長したら社員にも還元されるんだということを、一本の線として考えてこなかったんです。
それを考えたことで「車検3,000台目指す」が自分の中でも腹落ちできて、全スタッフに「車検3,000台」のメリットを伝えることができるようになった。
これが会社の分岐点だったと思います。
松山社長 翌年には、「車検3,000台」や「店舗を増やす」といった目標と、それによって会社がどう成長して、それが社員にとってどんなメリットになるかをビジュアライズしました。
全スタッフにそれを伝えていくことももちろんですし、新規採用する際にも、「うちの会社はこういうことを目指している」と話せるので、同じ志を持った仲間が入ってきてくれるようになります。
そうすると、段々会社の成長と自分のメリットがリンクしてくる社員が増えて、「面倒臭いことはしない」という風潮が減ってきたことを感じました。
松山社長 はい。思考や議論の軸が自分がどう感じるかというところから、「どうお客さんに喜んでもらって、台数を増やすのか」ということにうつり、そのためにはどう効率化しようとか、どうやって働きやすくするかということを考えるようになりました。
昔は何か提案すると「何を張り切ってんだ」なんて空気になることもあったんですが、今では「やりたいであふれる」空気になっています。
もちろん、前の空気が好きで会社を離れた人もいますが、それはそれでいいと思っています。
松山社長 お客さんに言われた需要だけではなく、その先を考えていけるようになったことでしょうか。
給料さえもらえれば良くて、「オイル交換」と言われたらオイル交換だけをするような店なのか、それともオイル交換をしたついでに愛車の点検をして、お客様と会話することで、その中でもうすぐ免許を取られるお子さんがいるということを聞けて、次の営業機会を見つけるかどうか、姿勢ひとつで全く違ってきます。
今は本当に後者の姿勢が強くて、スタッフ全員の“当たり前の基準”がだいぶ上がっていますね。
松山社長 たとえば、弊社は鈑金ブースも、職人もナシで、年間635台の鈑金塗装を受注できているのですが、その土台にも、この社員の意識の変化による2つのポイントがあると思っています。
ひとつはフロント全員が鈑金の見積もりを取れること。もうひとつは店舗の損益分岐点を理解できていることにあります。
松山社長 鈑金を受注していても、見積もりから丸投げする会社と、そうではない会社があって、弊社は前者です。フロントマンはみな、鈑金の見積もりができます。
鈑金の見積もりをしていないということは、知識がないということなので、お客さんの要望や質問にも答えられないし、たとえば外注先の「5万円だよ」という見積もりにもYESというしかないですし、そもそも見積もりのスピードも遅くなる。
どちらがお客さんにとっていいかというと、もう明白ですよね。
もうひとつの損益分岐点については、社員たちが会社が目指す目標を理解して、「やりたいであふれる」風潮になっているからこそ、車販や車検だけでは足りないということに気づける。こういう姿勢が、受注にも大きく影響していると思います。
松山社長 素晴らしいスキームはたくさんあるのですが、ひとつ挙げるとしたら、組織作りに長けているところです。
お客さんが満足するかどうか、お客さんの満足度が方針になっているので、そこに向けて人材を育成していかないととか、どういうサービスがあればお客さんはさらに喜ぶんだろうとか、軸がブレない。
それに、(コバックの)小林社長がとにかく加盟店を対話する姿勢があるからか、加盟店同士の繋がりもかなり強い。
ここは富山ですが、僕は「関東二世会」という二代目が集まる会にも参加させてもらっていて、関東に集まる色んな最新情報を、この二世会から教えてもらえますし、何か新サービスを始めようと思ったときに、紹介してもらえたりもします。
組織作りに長けているコバックに自分も加盟していることで、それを吸収して自社に取り入れることができる。同じように加盟している経営者と繋がりを持てる。そこに、利益以上の成長があると感じています。
二代目社長が、初代の環境を変えないとと思っている場合、早急にことを進めてしまい、社員から反発を受けるというのは、どこの世界にもきっとあること。
ですが松山社長は、変えたいと感じることも、その人の考えや今までのやり方をいったん受け止めるという行動をとりました。
その上で、少しずつ社員の心や会社の空気を変えていきました。
転機となった社員の言葉も、跳ねのけるのではなく、素直に1回受け止める。
そういった傾聴できる姿勢が、社内環境の変化を生んだと感じました。
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「車検のコバック」では、1976年より、愛知県豊田市を中心に直営店を展開。
中西社長も加盟の決めてにした、アフターフォローと人材育成のノウハウを余すところなく加盟店に伝授することで、地域No.1の店舗を実現します。
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ぜひ、自社の課題と似た課題を抱えている会社の事例を参考にしてください。
経営者の声を聞くにあたり、車検のコバックに協力を依頼し、成功経営者のみなさまをご紹介していただきました。